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超機大戦α if 〜燃え尽きない流星とアイ〜

 

第7話

 

 

火星で破嵐万丈と会ったマクロスと天上天下無敵隊は、もはや地球人同士でいがみ合っている場合ではないと決断し、各勢力に交渉を行なうことにした。

ブライトが指揮する隊は、アクシズに向かい、ネオ・ジオンと協力交渉をすることになっている。

シーラの指揮する隊は、月面に現れた木星軍を調査することである。

エレの隊は極東支部に戻り、地下組織から極東を防衛することである。

 

 

 

−アキト視点−

ユーチャリスはリーンホース他2隻とアクシズに向かっている。

アキトの部屋のベットに一人いや、二人寝ている。

ピ!

ブリッジからアキトの部屋に通信をつなげる。

ルリ「アキトさん、補給物資とエリナさんがきました。

ブリッジに上がってください」

ゴソゴソと寝ている二人が動く。

アキト「…解かった、すぐ行く」

ルリ「はやくしてくださいね」

ピ!

アキト「イネス、起きろ。

エリナが来た」

イネス「…う、う…ん」

睡眠時間が少なかったので、虚ろに答える。

結局ブリッジに上がったのは10数分後だった。

エリナ「遅い!」

いつもの服装――黒のバイザー、黒マントを装着して何気ない顔で上がって来たアキトにエリナが吠える。

アキト「しょうがないだろ、イネスが起きなかったんだから」

イネス「その原因を作ったのは誰でしたか?」

 恨みを込めた視線でアキトを見る。

アキト「知らん、お前が起きなかった理由など…」

エリナ「…あなた達なにやってたのよ?」

アキト「なんだろうな…」

アキトは平然と答える。

エリナ「ま、いいわ。

それよりどうしてそのカッコをしているの?

治ったって聞いたけど…」

アキト「…こだわりと、スサノオの正体がばれるとまずいんでね。

何時他の艦から通信が来るか解からんからな」

アキトはスサノオ(黒尽くめ)を巧みに利用するつもりだ。

エリナ「そう、そうね。

…ブラックサレナ持って来たわよ」

アキト「そうか、ありがとう」

エリナ「まさかエステバリスの動作処理をオーバーできる人間がいるなんて思わなかったわ」

火星での戦闘で、アキトのエステバリス強襲フレームはアキトの戦闘動作に耐え切れず、関節が全て焼き切れてしまった。

アキト「どんなに良いものでも、所詮は人間が作ったものだからな」

エリナ「…あなたにそう言われると皮肉に感じるわ。

でも、ブラックサレナのエネルギーはどうするの?

ユーチャリスから回ってくるのだけじゃ追いつかないわよ」

アキト「その点については問題ない。

小型相転移エンジンが完成したからな」

エリナ「…………。

全く次から次へと驚かせることを言うのね、貴方は」

心底呆れたかのようにつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

−浩平視点−

浩平はヒュッケバインのコクピットで自分とリュウセイ、アヤの念動力の数値を見ていた。

浩平「やはりリュウの念動力は驚異的な速度で増している…」

イングラムの一件の時、リュウセイが発揮した念動力はそれまで五十歩百歩だった自分を遥かに超したものだった。

浩平「そしてレビという少女とのコンタクト…さらにリュウの念動力は上がった…」

イングラムが裏切るということは何となく解かっていたので、それについては何も言うことは無かったが、その時からリュウセイの力の覚醒を見ることになった。

浩平「俺もリュウと同じ力を発動させなければならない。

イングラムがアヤ大尉のように俺を必要しなくなったら……恐らく素質を持つ茜に手を伸ばすはずだ。

ユーイチ中尉と共にいるとはいえ、安心していられないな」

ドン!

浩平はコクピットの壁を殴る。

ヒュッケバインに閉じこもっている浩平を心配している者達がいた。

留美「折原の様子、変じゃなかった瑞佳?」

瑞佳「うん、辛い思いをしてる」

みさき「浩平君は今迷ってるだけだよ、大丈夫浩平君なら」

浩平「……リュウが悪い訳じゃない……覚醒していない俺が不甲斐ないだけなんだ……」

親友に秘められた力…それを見るのが辛い。

 

 

 

 

 

−リュウセイ視点−

ドオオオン!

リュウセイ=ダテのR−1とキョウスケ=ナンブ(ハガネの機動兵器隊長)の愛機アルトアイゼンが模擬戦闘(シミュレーション)を行なっている。

ドドドドドド!

アルトアイゼンが左手の武器ガトリングガンを撃つ。

リィィィィン!

しかしR−1に着弾せず、目の前で止まってしまう。

キョウスケ「ちぃ。フィールドを密集させ頑丈にしたかっ。

ならば接近してうち貫くのみ!」

ゴオオオオオ!

アルトアイゼンのブースターを最大にし、R−1に食いつこうとする。

リュウセイ「念動…集中!」

ポオオオオ

R−1の右拳が緑色の光に覆われる。

キョウスケ「撃ち貫く!」

アルトアイゼンも右手にある必殺武器で勝負を掛ける。

リュウセイ「おおおおおおおおおおお!」

キョウスケ「あああああああああああ!」

ドオオオン!

シュッ

決着がつき、両者シミュレータから出てくる。

勝者は、アルトアイゼンの攻撃を左腕のシールドで防御しながら、頭部を打ち砕いたリュウセイだった。

キョウスケ「ほとんどダメージを与えることができなかった。

あのフィールド…桁違いな強度だ」

キョウスケの言葉にリュウセイは浮かない顔をしている。

リュウセイ「正直喜べないんだ。

この力はイングラムが欲している力だから」

キョウスケ「しかし、逆に言えばその力が無ければイングラムを撃つことはできないぞ」

リュウセイ「それは解かっている、けど」

そこで黙ってしまう。

プシュ

リュウセイが黙っていると、シミュレーション室に人が入ってくる。

??「ここも違うか」

室内を見回して、落胆する。

リュウセイ「あれ、あんたは確か…」

??「あ、ちょうど良かった。

悪いけど食堂まで案内してくれないか?」

人がいると知り、安堵する。

リュウセイ「別にいいけど、何であんたがここにいるんだ?

グルンガストネルガル・カスタム(以後Gネルガル・カスタム)のパイロットだろ、ユーチャリスにいなくていいのか?」

??「ユーチャリスは今艦内を改修してるんで、居場所が無いんだ」

リュウセイ「ふ〜ん、後ろの人も連れて来たのか?」

??「そうだよ、と自己紹介がまだだったね。

俺は槙原耕介、君がいった通りGネルガル・カスタムのパイロットをやっている」

リュウセイ「俺はリュウセイ=ダテ。R−1のパイロットだ」

耕介は視線を後ろの連中に向ける。

??「うちは椎名ゆうひ、ユーチャリスの通信士や」

耕介の次に身長が高い女性が紹介する。

リュウセイ(優しい感じがする人だな)

??「私は槙原愛、この子リスティ=槙原の愛機の整備士です」

リスティ「R−1のパイロットと出会えて嬉しいよ」

プシュ

また新たに人が入ってくる。

??「あ、いた。

こんな所にいたのか耕介。食堂にいないから心配したぞ」

耕介「ああ、悪い。

ゆうひを先頭にしていたら道に迷ったんだ」

??「椎名さんって迷子の素質があるみたいね」

入って来たのは二人の男女、男の方はボサボサ頭で耕介と年が変わらないようだ、女性の方は綺麗なブロンドをポニーテールにしている。

リュウセイ「そちらの方は?」

耕介「紹介するよ、今回の補給でユーチャリスのコックになった」

??「天河明人だ。よろしく」

笑みを浮かべて自己紹介する。

??「ユーチャリス医療班のイネス=フレサンジュよ」

これがアキトとリュウセイの邂逅、バルマー戦役のカギを握る二人が出会った瞬間であった。

当の本人の知ることなく。

 

 

 

 

 

ハガネ食堂

食堂には、ラトゥーニ=スゥボータ(名字が伊達になることを希望している)とリュウセイの義妹上月澪(魂の名は伊達澪)と椎名繭(同じく魂の名は伊達繭)がレビと呼ばれる少女のことで話している。

ラトゥーニ「…彼女は二つの意味で敵だと思うわ」

澪『うん、なの』

繭「みゅ」

3人が知るリュウセイなら間違いなく、レビを救おうとするだろう、命懸けで。現にその兆候は出ている。

その会話を離れた所で聞いているライ、アヤ、エクセレンの3人。

ライ「全くリュウセイの奴は罪作りな奴ですね」

アヤ「………」

アヤは答えない。

ライ「大尉?」

アヤ「え? あ、何ライ?」

ライ「…大尉」

エクセレン「アヤもあの子達と同じなのね」

 

 

 

 

 

−アキト視点−

補給が終わり、アクシズに近くなった頃、アクシズに向かう別艦隊を察知。

アキト「ジュピトリス…艦を護るあの7機、あの男か。

ブラックサレナのテストには最適だな」

木星のコロニーに侵入した時に得た情報では、ジュピトリアンがネオ・ジオンと手を組むとしか手に入らなかったので、アキトは自分の追いかけて来たものが来るとは思ってもみなかった。

アキト「お前が主導権を握ることはできない…!」

アキトはスサノオ(黒尽くめ)になり宇宙に出る。

 

 

 

 

−浩平視点−

浩平「迷っている時間はないか、…今はやれることだけをやるしかない」

気持ちを変えるために目を瞑る。

カッ

浩平「折原浩平、ヒュッケバインいきます!」

いろいろな思いを背負いながら浩平は宇宙に出る。

 

 

 

 

 

−リュウセイ視点−

リュウセイはいつも通りにR−1に搭乗し、キョウスケはアルトアイゼン(古い鉄)を自分でカスタマイズしたアルトアイゼンリーゼ(古い鉄巨人)に乗る。

ピ!

リュウセイ「いきなりの宇宙戦だが大丈夫なのか?」

キョウスケ「問題ない、ちゃんとその点も考慮している。

無理はしない」

エクセレン「でも分の悪い賭けはするんでしょ?」

キョウスケ「……」

キョウスケは答えないが、多分やるだろう。

リュウセイ「ラトゥーニ、ゲシュペンストMk−Uの調子はどうだ?」

ラトゥーニ「ゲシュペンストと操作方法は変わりないから大丈夫よ」

ライ「人の心配をする前におまえはどうなんだ?」

リュウセイ「いつでも出撃できる」

キョウスケ「SRXチーム、ATXチーム出撃」

各機出撃する。

 

 

 

 

今回の補給で新型機を得たの彼等だけではない。

前からアムロ=レイが開発していた新型ガンダム、ν(ギリシア語でニューと詠む)ガンダム。

クワトロが開発した百式の最終形態、フルアーマ百式・改。

Z計画の完成機Zガンダムの後継機ZU(ゼッツー)。

それらが加入された。

アムロ「よし、サイコフレームの調子はいいようだ」

アムロが機体の性能に満足している様を、クワトロは喜んでみていた。

クワトロ(やはりアムロには白が似合う)

 そして戦闘が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

−スサノオ視点−

ユーチャリス機動兵器隊はラーカイラム(乗り換えた)に向かう敵機を無視して敵旗艦に向かっていた。

そして敵旗艦(ジュピトリス)を射程に捉えた。

耕介「各機攻撃開始!」

「「「了解」」」

機動兵器の隊長はスサノオでなく、耕介だ。

スサノオ自身、指揮するよりも突撃する方が性に合っているので文句の一つも無い。

ビイイイ!

ジュピトリスを守備していた6機のMSから銃撃の挨拶が来る。

耕介「散開!」

それぞれ散らばるが、スサノオだけは銃撃に向かって進む。

耕介「何やってる!? 回避しろ!!」

スサノオ「大丈夫だ」

イィィィィン!

ディストーションフィールドを貫く一撃はなく、ブラックサレナは無傷であった。

スサノオ「それよりもさっさと出てこい、北辰!!」

ジュピトリスに向かって通信する。

シロッコ「…北辰、お前を指名している、出ていってやれ」

北辰「御意」

そしてブラックサレナの前に一機の機動兵器が現れた。

北辰「復讐人、今日こそ決着を付けようぞ」

スサノオ「聞け! ジュピトリアンよ!

我はスサノオ! 火星を継ぐものなり!

そして暴走したお前たちを止めるもの!!」

ジュピトリアンにだけ通信を送る。

北辰「大きく出たな、そんなことが可能だと思うか?」

スサノオ「思わなければこんな事は言わんさ」

ドドドドドドドドドド!!

ブラックサレナの唯一の武器ハンドカノンをスサノオは北辰の機体ドッゴーラに向けて撃つ。

ガガガガガガガガガガ!!

北辰「な、何!?」

一発も外さず、全て命中させる。遺跡との接触は五感が治るだけでなく、今までスサノオに非協力的だったナノマシン全てがスサノオの力になった。

スサノオ「そこで見てろ、お前の主が倒れる所を」

大破したドッコーラをよそにスサノオはジュピトリスに攻撃を仕掛ける。

いくらシロッコがニュータイプであっても乗ってるのは貨物船艦、過去のオーバーテクノロジーで創られたブラックサレナ+覚醒したスサノオに勝てるはずもなく、すぐに撃墜という結果が出た。

逃れて来た脱出艦に照準を合わすが、アクシズ方面からネオ・ジオンの部隊が現れた。

 

 

 

戦闘が始まってからずっとリュウセイは違和感を感じていた。

ジュピトリアンを敵だと思うことができないのだ。

ゼントラーディとの戦闘の時は感じなかったが、今目の前のMSを撃つ気がどうしても湧かない。

リュウセイ「????」

いや、相手にならないと本能で解かっているのだ。

バシュッ!

動きが止まっているR−1に敵MS(ゲドラフ、コンティオ、ゾロアット)はビームライフルを撃つ。

インンンンンンンン!

リュウセイ「なんだろうな、一体」

しかし、念動フィールドを打ち破る威力はなかった。それがわかってるため回避行動をとる気にもならない。

リュウセイ「…ランダムシュートォォォ!」

ドドドドドドド!!

回転しながらジャイアント・リボルバーを連射する。

一発命中する毎に一機、撃ち終わった時、R−1の周りには動けるMSはなかった。

浩平「リュウの奴、防御だけでなく攻撃まで上がってやがる…」

撃つさいにリュウセイが発動させた念動力を肌で感じ取ってしまった。

浩平「俺はあれほどの力があるのか…?」

リュウセイの覚醒、火星でのスサノオの身も凍る戦い方、それを目にしただけあって、かなり浩平は追いつめられている。

迷ってる時間はないとばかりに、アクシズ方面からネオ・ジオンの部隊が現れた。

 

 

 

交渉のため、クワトロ、ジュドー、カミーユ、エマ、レコア、洸がラーカイラムから選抜された、なお、ユーチャリスから護衛として恭也が駆り出された。

アキト「……先の戦闘、ヒュッケバインは前に出なかったな…」

耕介「それだけじゃないぞ、どこか迷いを感じる」

ユーチャリスの格納庫で戦闘のことで話し合っている。

ピ!

ブリッジにいるイネスのウィンドウが開く。

イネス「彼ずっとリュウセイ少尉を見ていたわよ」

アキト「リュウセイ少尉を? サイコドライバーの共鳴か?」

ピ!

ルリ「違うと思います、念動――」

イネス「彼はリュウセイ少尉の力に恐怖を感じているわ。

イングラム少佐は彼よりリュウセイ少尉を狙っている節がある、自分がもし無能のレッテルを貼られたらアヤ大尉のように抹消されてしまうことを怖れているのでしょう。そうなったら恋人を助け出すことができなくなるから」

ルリ「気持ち解かります…」

一瞬、ラピスを見て言う。

アキト「あんまりいい精神状態じゃないな…」

耕介「なんにもできないな、それは。

時間が解決するのを待つしかない」

イネス「同感だわ、お兄ちゃんや耕介さんが何とかしようとすれば、彼は混乱するわ、お兄ちゃん達の力も怖れている所があるから。

かといって力無い者達が慰めでもしたらかえって逆効果になるわよ」

アキト「八方塞か…」

ルリ「のんびり口論してる場合じゃなくなりましたよ」

アキト「何があった?」

ルリ「ネオ・ジオンの旗艦がアクシズに入港するコースに入っています」

アキト「それは確かにまずいな」

 

 

 

 

ブライト「…という訳で、これから我々はアクシズに攻撃を仕掛ける。

そしてアムロ率いる隊がアクシズに突入する。以上だ」

スサノオ「ブライト艦長、突入部隊に俺も入れて欲しいのだが」

ブライト「…君は駄目だ。

あくまで作戦はクワトロ大尉達の救出だ、余計なことはできない。

それに君の機体は戦艦から離れることはできないだろ」

スサノオ「その事なら問題ない。

あの機体、ブラックサレナはスタンドアローンが可能だ。

それに本当に危ないのは俺じゃなく、クワトロ大尉だろ?」

ブライト「………」

アムロ「わかった許可しよう」

ブライト「アムロ!」

アムロ「彼の力は必要だ。

アクシズにはハマーン=カーンがいる、数は多い方がいい」

ブライト「……わかった、ただし無茶はするな」

 

 

 

 

 

一方捕らわれの人達はクワトロが別室に連れて行かれ、ジュドーだけは腹痛の演技で脱出していた。

ジュドー「逃げ出すことに成功したのはいいが、これからどうすりゃいいんだ?」

勢いだけで逃げ出したので、今更ながら途方に暮れる。

??「お兄ちゃん!」

ジュドー「へ?」

突如少女の声が耳に届いた。

??「あたしを探しに来てくれたんでしょ?」

声を掛けた少女に見覚えはない。

??「あたしエルピー=プル、よろしく」

ジュドー「よろしくって、君どっかであったけ…?」

プル「やだ、もう忘れたの…?」

ジュドー「悪いけど人違いだよ…」

少女から離れようとするが

プル「待って!」

ジュドー「俺、急いでんの。またね」

プル「だめ! 一緒にいるの!」

プルはジュドーの体を締め付ける。

ジュドー「ぐっ、うぐっ!

は…放せよ…。苦しいだろっ!」

プル「あ、ごめ〜ん!

お兄ちゃん名前は…?」

ジュドー「ジュドー…、

ジュドー=アーシタだよ!」

ふとそこで思いつく。

ジュドー「…君、ひょっとしてサイド1のシャングリラに住んでいたの…?」

プル「生まれも育ちもアクシズよ。

こんな近くで地球見たのって初めて!」

ジュドー「それでどうして俺を知ってんだよ?

 …おかしいじゃないか」

プル「ほんと…おかしいね」

ジュドー(勘弁してくれよ…。

 こうしている間だって、カミーユさん達がピンチなのに…)

プル「ねっ!」

ジュドー「今度は、なんだよ!?」

プル「キスしよう!」

ジュドー「な…ぬ…、初対面で早すぎるんじゃない!?」

プル「あはははっ!

ジュドーって面白〜い!」

さすがにジュドーも怒る。

ジュドー「いいかげんにしてくれ!

俺はアクシズから脱出したいの!

邪魔すんな!」

ジュドーの叫びを聞きつけたグレミーがジュドーを発見した。

グレミー「いたぞ! あそこだ!!

観念しろ、ジュドー=アーシタ!」

プルを見てグレミーは顔色を変える。

グレミー(一緒にいる少女…、あれはエルピー=プルではないか!?)

ジュドー「しまった!

お前に構ってたら、アイツらに見つかっちまったじゃないか!」

プル「ジュドー宇宙に出たいの?」

ジュドー「そうだよっ!」

プル「じゃあ、あたしがモビルスーツドックまで案内してあげる」

ジュドー「ほ、ほんとか!?」

プル「うん! その代わり、後で遊んでよ?」

グレミー達との距離が詰まってくる。

ジュドー「ああ、もう!

 わかった!遊んでやるから、早いとこドックまで案内しろ!」

プル「やったあ! ジュドー大好きっ!

プルプルプルプルプルーーッ!!」

ジュドー「うわ! 速え!」

走り出した少女に置いていかれないようにジュドーも走り出した。

 

 

 

格納庫についたジュドーはどのMSを奪うか決め兼ねていた。

プルは既にMSに搭乗している。

ジュドー「! あれもしかして…」

あるMSを見てしまった。

 

 

 

出撃したグレミーは相次いで起きることに頭を悩ませていた。

グレミー「あの男が来てから事態が急変した」

兵力を温存して戦うという命令を出したが、ハマーン直轄の部下はこれを良しとしていなかった。

アクシズからMSが二機出撃する。

プル「ジュドー! 宇宙だよ!」

ジュドー「あんなMSに乗って…あのプルって子、一体何者なんだ?」

ジュドー「…それにしても、この性能…まじでシャア専用…?」

プル「んもう、ジュドー!

 何一人でブツブツ言ってんの?」

アムロ「あ、赤いザク!?

まさか!?」

アムロが珍しく驚愕する。

ジュドー「アムロさん!?

 ナイスタイミングだ!」

アムロ「…ジュドーか、脅かすな」

ジュドー「?」

アムロ「大体の事情は把握している。

 俺達はこれからアクシズに突入する。

援護してくれ」

ジュドー「了解!」

 

 

 

 

 

プルが急にジュドーに襲い掛かるというアクシデントが起きたが、天上天下無敵隊に死者はなく、アクシズに突入した。

ジュドー「なんだって!? リィナがアクシズにいるだと!?

 そりゃどういうことだ!?」

艦に戻ったジュドーを待っていたのはそれだった。

ジュドー「くそ!

 それじゃ本末転倒じゃねか!」

踵を返し、ZZに向かう。

その途中でプルに会った。

プル「あ、ジュドー」

ジュドー「悪い、プル。

遊ぶのは後でな」

プル「ジュドー!?」

あまりのことに呆然としてしまう。

イーノ「悪いけど、ジュドーをいかせてあげて欲しい。

リィナのことだから」

ジュドーの仲間の一人イーノ=アッパーブがプルを宥める。

プル「リィナって誰?」

エル「リィナはジュドーの妹だよ」

イーノと一緒にいたエル=ビアンノが答える。

プル「ふぅん、ジュドーは私だけのお兄ちゃんじゃないんだ…。

そうだ!」

何かを思いつき、自分のMSキュベレイMK−Uに向かっていく。

 

 

 

 

 

アムロ達が突入した時と状況が違い、ジュドーはアムロ達にすぐ追いつくことができた。

ジュドー「アムロ大尉、リィナは!?」

アムロ「落ち着けジュドー」

ジュドー「わかってますよ!」

一方カミーユ達は扉が急に扉が開いたので逃げ出していた。

なお恭也はシロッコが脱出する時、北辰と六人衆と交戦し、負傷した。

街中でビーチャ達と合流し、突入して来たアムロ達を離れた場所で見ていた。

アムロ達が市街地に入ると、ハマーンと親衛隊が現れた。

ハマーン「失望したぞ、ジュドー=アーシタ。

お前がそれほど子供だと思わなかった」

ジュドー「残念だったな。妹が敵地にいて冷静でいられるほど大人じゃないんだよ!」

そしてジュドーの探し人はすぐ近くにいた。

ハマーン「お前にはわからないのか…?

お前が与する連邦軍、そして連邦政府の上層部こそ地球を腐らせる根源なのだと…」

ジュドー「だからって、あなたに正義があるとは思えないな!」

ハマーン「私はアステロイドベルトでぞっとするほど暗く冷たい宇宙を見ながら何年も生きて来た…。

その間に地球の愚かな人間達は何をした? 地球再建に奔走するあまり、地球の汚染を拡大させて来た…!

あまつさえ、異星人の脅威に対しても、自分達が逃げ出すことしか考えていない…。

それを許すわけにはいかない!」

スサノオ(同感だが、今はそれを実行する余裕はない)

ジュドー「…………」

ハマーン「フ…フフフ…。

私はお前に対してはスラスラと本心を話してしまうようだ…」

ジュドー「そんなこと言っても、俺はあんたのものにはならない!」

ハマーン「わかっている。お前には確かにニュータイプの要素を感じるが、お前は流れに乗るということを知らなさすぎる。

もっとも、流れに乗るだけのシャアやアムロ=レイは論外だが、直感だけに頼っているとやがて破滅するぞ」

ジュドー「ニュータイプなんて知らないね!

俺はリィナを助けるだけだ!」

ハマーン「この期に及んで、個人的な感情で動くとは…。初めは私に期待を抱かせ、最後の最後に私を裏切る…!

ジュドー=アーシタ!

お前もシャアと同じだ!!」

ジュドー「!!」

 直感的にハマーンの八つ当たりを聞いている気がした。

??「! 天上天下無敵隊のものか!?」

ハマーンの親衛隊の一人、イリア=パゾムがカミーユ達に気付き、リィナを捕らえる。

リィナ「きゃあ!」

 ジュドーはそれが誰かわかってしまった。

ジュドー「あれはリィナか!?」

リィナ「お、お兄ちゃん!!」

イリア「全機体、武装解除しろ!」

フォッカー「汚い真似を…!」

ジュドー「ハマーン!

それがあんたのやり方かっ!?」

ハマーン「言ったはずだ。

個人的な感情で動くのは愚かだと」

フォッカー「………」

輝「せ、先輩…どうするんです!?」

フォッカー「仕方あるまい…奴等の要求を受け入れよう」

ハマーン「愚かな…そんな軟弱な意志で異星人から地球圏を救えるものか」

フォッカー「バーロー!

子供とはいえ、女を見捨てられるか!

お前らみたいに個人を犠牲にする奴は、結果的に人類全体も見捨てるに決まっている!」

ハマーンとフォッカーの議論がぶつかるなか、キュベレイMK−Uが現れる。

イリア「エルピー=プル!?」

プル「ジュドーを苦しめる奴はあたしが許さないんだからっ!」

 ジュドーを追いかけて来たプルがイリア機ハンマ・ハンマの前に出る。

イリア「何だと!?」

ビュゥゥン!

ビームサーベルを振るいハンマ・ハンマを破壊する。

イリア「くっ!

駆動部分に直撃だと!?」

リィナ「きゃあああっ!!」

 ドォン!

ハンマ・ハンマが爆発した。

ジュドー「リィナァァァァァァッ!!!」

プル「そ、そんな…あ、あたし…」

ジュドー「う、嘘だろ、リィナ…リィナァァァァッ!!」

カミーユ「ジュドー…!」

カミーユもまた後悔の念に捕らわれている。

洸「くっ…!!」

洸(ライディーン…ライディーン!

俺の声が聞こえるなら、ここへ来てくれ!)

ジュドー「うう…ちきしょう…!!」

ハマーン「!? な、何だ…この肌にまとわりつく不愉快感は…?」

ジュドー「ゆ、許せねえ…!

てめえら…許せねえっ!!

うおおおおっつ!!」

 キュイイイイイイイイイイン!!!

「「「!!!」」」

その場にいたニュータイプ全てがジュドーの発したプレッシャーに恐怖した。

一番強い反応を示したのは、浩平だった。

浩平(ジュドーにこれほどの力が?)

浩平の頭の中で単純な関係図が描かれる。

クワトロ・アムロ・リュウセイ・ジュドー(越えられない壁)→カミーユ・浩平・シーブック・ウッソと出た。これはあくまでプレッシャーだけだ。

操縦技術だと、クワトロ・アムロ・ジュドー・カミーユ・シーブック・ウッソ・リュウセイ→浩平

浩平「うああああああ!!」

浩平は咆哮するが、何も変わらない。

アムロ「…全機体に告ぐ、撤退する」

ジュドー「アムロさん、何いってるんだ!?」

アムロ「…撤退だ」

ジュドー「アムロさん!!」

命令に従おうとしない。

ピ!

スサノオ「死にたいのであれば好きにしろ、俺達は撤退する」

スサノオから通信が入る。

ジュドー「なんだと!?」

スサノオ「…今敵は混乱している、これが脱出する最後のチャンスだ。

MSには脱出ポットがある、お前の妹がパイロットと脱出した可能性は高い。

それを確認することなく死にたいのか?」

ジュドー「………わかった。撤退する」

 

 

 

 

ラー・カイラムに戻ったジュドーは何人たりとも寄せ付けない雰囲気のまま、部屋に閉じこもってしまった。

浩平も部屋で何かを考えている。

ピ!

スサノオ「いつまで部屋に閉じこもっているつもりだ?」

スサノオが強制に通信をつなげるが、ジュドーは何も答えない。

スサノオ「…やれやれ、これを見ろ」

ブウン!

ジュドーの目の前にある映像が浮かぶ。

ジュドー「! これは!」

スサノオ「ネオ・ジオンのコンピュータをハッキングしたデータを解析したものだ。

足掻くことをしなければ何も手に入らないぞ。これすらもな…」

ジュドー「…ありがとうスサノオさん」

励ましてくれた礼をする。

スサノオ「俺よりも先にこいつらに何かいってやれ。

うるさくてたまらん」

スサノオの周りにはプルを含めたジュドーの仲間がいた。

ジュドー「ああ!」

 

 

 

 

アクシズから距離をとるために移動しはじめた。

もちろんただで帰してくれる訳もなく、ネオ・ジオンの部隊が進路を塞ぐ。

その宙域にいるニュータイプ(念動力者含む)は強いプレッシャーを感じていた。

リュウセイ「浩平、この圧迫感…前にも感じたことがあるとはおもわねか…?」

浩平「ああ…。

いい加減にして欲しいくらい…やな予感がするぜ」

アムロ「浩平、リュウセイ。

今はラー・カイラムを護衛してアクシズからの離脱に専念しろ」

浩平「は、はい!」

リュウセイ「…了解!」

アムロ(確かにあの2人が不安になる気持ちもわからんではない……俺もこのプレッシャーには脅威を感じる……一体、何者なんだ?)

 天上天下無敵隊はラー・カイラムを護りながら徐々に脱出ポイントに向かっていた。

ゴゴゴ

アムロ「!!」

リュウセイ「これは…!?」

ハマーン「来たか、プレッシャー……!」

トーレス「アクシズの周辺に強力な重力震を感知!

何者かがワープアウトしてきます!」

ブライト「何だと!?」

バサッ!

宇宙を漆黒の天使が舞う。

ノリコ「な、何なの…あの黒いロボットは…!?」

天上天下無敵隊に派遣されたトップ隊のノリコ=タカヤが震えた声で問う。

カミーユ「あれがプレッシャーの正体か!」

黒い機体から発せれるプレッシャーはこの宙域を覆い尽くすものと一緒だった。

リュウセイ「う……」

ノリコ「リュウセイ君、どうしたの!?」

繋がった通信から呻き声が聞こえ、心配する。

リュウセイ「…こ、この念は…まさか」

アヤ「…そ、そんな…あの人なの…!?」

浩平「間違いねぇ…あの機体に乗っているのは…」

イングラム「フッ…因果の鎖というのは思った以上に強固なものらしい。

俺の意志に関係なく、こうやって再び彼等とあいまみえるとはな」

アヤ「!!」

ブライト「まさか…イングラム=プリスケン少佐か!?」

ユング「イングラム少佐…!?

あのPTXチームを率いていたエースパイロットの…!?」

リュウセイ「イングラム=プリスケン…!!

 き、貴様…!

よくもノコノコと俺達の前に現れやがって…そこを動くな!!」

イングラム「やめておけ。今のお前では俺を倒すことはできん」

リュウセイ「な、何だと!?」

イングラム「それに…未熟なお前と戦う理由も無い」

リュウセイ「!! 黙れ!

こっちにはその理由って奴があるんだっ!!」

イングラム「戦場では状況を正確に把握しろと教えてあったはずだ…」

リュウセイ「うるせえ! そうやって余裕を見せていられるのも今の内だ!!」

リュウセイは念動を圧縮させはじめる。

浩平「やめろ、リュウセイ!」

シュオオオオオン!!

念動破砕剣をイングラムに向かって放つ、イングラムも高エネルギーを発射した。

イングラムの方が早くR−1に着弾し、着弾と同時に念動破砕剣は消滅した。

そして念動フィールドに護られていたR−1は一瞬で大破した。

リュウセイ「う…あ、ああ…」

アヤ「リュウセイ!!」

イングラム「予定どうりの性能は発揮したか。

だが、出力制御に問題があるようだな…」

目に映るのは大破したR−1。

リュウセイ「う、うう…」

イングラム「おかげで、サンプルを危うく消滅させる所だった」

リュウセイ「…な、なんだ…今のは…!?」

着弾したと思ったら上下感覚が無くなり、元に戻った時には大破していた。

イングラム「リュウセイ…これがアストラナガンの力だ」

リュウセイ「ア、アストラ…ナガン!?」

イングラム「そう…俺が作り上げた人型機動兵器だ」

ゴオオオオオ

用はないとばかりにイングラムはハマーンと交渉を行ないはじめた。

リュウセイはイングラムを追おうとしたが、ハマーン率いるネオ・ジオンが道を塞ぐ。

リュウセイ「邪魔すんな!!」

 しばらく後、リュウセイが部隊(ハマーン含む)を壊滅させた時には、イングラムの姿はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーチャリス医務室

アキト「傷は深いのか、イネス?」

イネス「命に関わらないけど、…重傷だわ」

北辰との戦いで負傷した恭也と戦闘終了後、意識を失ったリュウセイが医務室のベットで横になっている。

アキト「恭也が完治するのはいつ?」

 やや心配そうに聞く。

イネス「一ヶ月半といったところね」

アキト「そうか、地球に降りることだし実家で安静させるか」

イネス「何かあったの?」

アキト「ヒュッケバインMK−Vとグルンガスト参式がロールアウトする。

ユーチャリスでそれを受け取ることになったよ」

イネス「あの二機が完成したのね。場所は?」

アキト「北京。

それと…耕介が俺に釣りを教えてくれるって一緒に来てくれないか?」

イネス「もちろんいくわよ」

 その後ゴソゴソと音が続く。

この会話は恭也とリュウセイに聞かれていた。

リュウセイ(何か起きたといえないです…)

恭也(しばらくほっとこう…)

2人は読唇術で会話している。

((馬に蹴られたくないしな))

 

 

 

 

 

 

 

 

歓喜している連中をよそに、浩平は更に落ち込んでいた。

相反する感情を乗せながら、ユーチャリスは北京へ向かう。

 



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