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超機大戦α if 〜燃え尽きない流星とアイ〜

 

第1話

 

 

 灯りが無い個室で、浩平は無力感に捕らわれていた。

浩平「…また、守れなかった。

 ……みさお、…茜……」

 呟きが部屋の中を満たす。

??「…は、……んは、……よ」

 呟きに返すように、突如声が現れた。

浩平「!! やめろ! 俺は…もう、アレを望んだり…しない!」

??「……」

 無言、だがどこか悲しさを感じさせる沈黙。

浩平「俺は……もう」

 プシュ

 浩平がブリッジに入ってきた。

浩平「どうも有り難うございました。

 おかげさまで落ち着くことができました」

 ブリッジ内には、額に傷があり、サングラスを掛けた男と、複数の人間が居た。

浩平「ところで、あなた達は一体何者なんですか?

 それと、俺達の船を襲った連中は?」

サングラスの男「一片に質問されても困るな。

 私たちは反連邦組織…エゥーゴだ。私の名はクワトロ=バジーナ。

 君たちの船を襲ったのは、連邦特殊部隊……ティターンズだ」

 ティターンズにあまりいい思いはないのか、最後だけなぜか嫌悪を滲ませている。

浩平「それで、あなた達は何を目的としているんだ? それに俺を船に入れた理由は?」

 俺の問いにクワトロ大尉が他の人達に近づき、俺に聞こえないように何かを話しはじめる。

 やがて、話し合いが終わり、クワトロが結論を述べる。

クワトロ「…私たちはティータンズを倒し、地球圏に起こる災いを立つために行動している。

 その一環として、これからグリーンノアというコロニーを偵察するつもりだ。

 そこで君に協力を求めたいのだが」

浩平「俺にですか? ……ヒュッケバインを使うことができるからですか?」

 一瞬何を言われたのかわからなかったが、この人達は俺があれを使えることに何かの意味を見出したのだろう。

クワトロ「そう思って構わない」

 クワトロは迷わずはっきり言う。

(……別に構わないが、何となくこのまま流れに乗っては俺の威厳に関わる)

浩平「…条件がある」

クワトロ「何かね?」

浩平「お前ら全員…俺の部下になれ!」

「「!!?」」

(おーおー。皆さん驚いてる。驚いてる。

 作戦成功、これより離脱する)

浩平「…冗談です」

 俺は自分の想い人――茜の口癖を真似した。

クワトロ「…質の悪い冗談はやめてくれたまえ」

浩平「いや、あのまま受け入れてもよかったんだけどさ、何となく面白くなくてさ。ああ言ったんだよ」

キュイイイイン

浩平「!?」

 突如、浩平の頭――いや精神に何かが訴えてきた。

(何だ!? 一体何が……誰かが…俺を…呼んでいる?

 またみずかか…? いや…違う。誰だ…?)

浩平「……あのコロニーの偵察に俺の力が必要と言ってましたね、俺もあのコロニーに興味があるので参加しますよ」

クワトロ「今度は何を企んでいるのかね?」

浩平「…何も」

クワトロ(……)

クワトロ「まあ、いいだろ。

 艦長、彼を連れて行く」

 その言葉に艦長と思わしき人は、肯定の意を示した。

 クワトロの指導の下、俺は意外と簡単にコロニーに侵入することに成功した。

浩平「…意外と詰らないもんだな」

クワトロ「軽口は叩けるうちに言っといた方がいいぞ」

 その後も何事も無く進んでいく。

 ティターンズの基地に侵入し、その中のあるものにクワトロは目を奪われた。

クワトロ「あのシルエットはガンダム!?」

浩平「ガンダムって、一年戦争時にアムロ=レイが乗っていたっていう伝説のMS?」

 その手に詳しい友人Rに散々聞かされたことを思い出す。

クワトロ「そうだ、間違いない」

浩平「ってことは、アムロ=レイと戦うってことかよ!?」

(自分で言っといてなんだが、正直勘弁して欲しいよ)

クワトロ「いや、彼は地球連邦により軟禁されているそうだ」

浩平「へえ〜、どうして?」

クワトロ「…出る杭は打たれるということさ」

 どこか遠くを見てそう答える。

キュイイイン

 懐かしみ、クワトロが放つその感情を感じる。

(…ああ、そういうことか)

 アムロ=レイは英雄といわれるほどの活躍をしたが、逆にその力を恐れられてしまったのだ。

浩平「うまく振る舞うことできなかったんだ、アムロ=レイって?」

クワトロ「彼はそういうことに疎かったからな」

浩平「さすが、死闘を繰り返した人の言葉は説得力があるな-〜」

 そこでクワトロは息を呑んだ。

クワトロ「…いつからだ?」

浩平「気付いたことなら、俺を襲った部隊のリーダーとあんたの通信を傍受していたのと。…他の人達と違う念みたいなのを感じてから。他の人と違い強力な念を身に纏っているからね、あんたは」

クワトロ「その力は生まれつきからかね?」

浩平「いや〜、この力に気がついたのはヒュッケバインに乗ってからだ」

(ヒュッケバインに……いや、偶然にしては良すぎる。

 誰かによって作られたシナリオか…)

浩平「…解かってるよ、自分が誰かに利用されているってことぐらい。

 だからそんな顔しないでくれ」

クワトロ「強いな、君は」

浩平「そんなんじゃない、ただ…同情されたくないこともあるってことさ。

 それだけのこと」

 浩平は過去に出会った盲目の少女を思い出す。

(しばらく連絡してないけど、今何やってんのかな…?)

 何処からか、このカレーおいしーと聞こえそうだ。

クワトロ「話が脱線してしまったな。

 あれはガンダムに間違いない。おそらく主力戦力として開発していたのだろう。

 ……よし、あれを奪うぞ」

浩平「方法は?」

クワトロ「ちょうどいい機会だ、機体を使い直接奪う。

 宣戦布告の意味を兼ねてな、但し極力戦闘を避けろ。

 ティターンズはともかく、我々はコロニーに損害を与えることは考えていないのでな」

浩平「了解」

(本来なら、とんでもなく難しいと思うんだろな。

 でも、赤い彗星が居るから大丈夫か)

 不思議と不安はなかった。

 クワトロの操るリックディアスが先に立ち、基地に侵入する。

 ガンダムを運ぶためのトレーラを守りながら浩平も続く。

 基地内はなぜか、警備が薄く、苦も無くガンダムに近づくことができた。

 タン! タタタタタ!

 クワトロがガンダムに接触しようとしたとき、基地の中から一人の少年が走りながら現れた。

クワトロ「む?」

 クワトロが反応するよりも早く、その少年はガンダムに乗り込んでしまう。

 一瞬、迷ったが、すぐに通信をつなげようとすると、向こうから通信が来た。

??「そこのMS! 俺は敵じゃない!

 証拠を見せてやる!!」

クワトロ「証拠?」

 クワトロの問いに答えず、その少年はガンダムをどこかに向かわせてしまう。

 その先には、同型機のガンダムが二機いた。

 荒々しいが、不安定さを感じさせることなく少年は、接近に反応したガンダムの足をビームサーベルで切り裂く。

浩平「す、すごい」

クワトロ「……ガンダムのパイロット、君の名は?」

??「カ、カミーユ=ビダンです」

クワトロ「カミーユ、敵MSのみを破壊し、このコロニーから離脱する、できるか?」

カミーユ「は、はい!」

 元気よい返事を返し、カミーユは倒れた機体に備え付けられているバズーカの砲口を向け、パイロットに宣戦布告の言葉を放つ。

カミーユ「カクリコン中尉! 俺はティターンズを許さない!」

カクリコン「き、貴様!」

 弾が発射され、カクリコン機が大破する。

??「カクリコン! 貴様ー!!」

 もう一機のパイロットが怒りとともに、ビームライフルを撃つ。

カミーユ「ジェリド中尉! 一方的に殴られる痛みを教えてやる!」

ジェリド「貴様は? か、カミーユ?」

 カミーユはビームをいとも簡単に避け、

カミーユ「遊びでやってるんじゃないんだよ!!」

 叫びとともにジェリド機の首をたたっ斬る。

(……俺を呼んでたのは、あいつか…)

 マラサイ四機を相手にしながら、浩平はここに来た理由を悟った。

クワトロ「浩平! 余所見をするな!」

 クワトロの言葉で我に返ると、ビームが向かっている現状に気づいた。

浩平「回避が間に合わない、くそ!」

 ブウウン

 ヒュッケバインに直撃のコースを取っていたビームが、直前で何かにかき消される。

浩平「あぶねぇ〜 グラビティウォールがなかったらやばかったぜ」

 安堵の息を漏らしていると、クワトロから通信が入る。

クワトロ「機体の性能に感謝だな。

 だが、性能に胡坐をかくことはするな。

 勝敗を決めるのは性能だけではないのだから」

浩平「お言葉、有り難うございます」

クワトロ「各機離脱するぞ」

 通信を行いながら、コロニーから脱出する。

??「これが君の専用機、R−1だ」

??「………」

??「どうした? 乗りたいと言ってた割には嬉しそうじゃなさそうだが?」

??「……スーパーロボットじゃない」

??「…確かに見た目はスーパーロボットじゃないけど、馬力はそれに匹敵するほどあるぞ」

??「よろしくな、R−1!」

??「現金なやつだ…」

アーガマ格納庫

 任務を終えた浩平たちは、カミーユにガンダムに乗った理由を問いただしていた。

クワトロ「それで君はガンダムに乗って戦ったと?」

カミーユ「はい、ティータンズの横暴にはもうついていけませんから」

浩平「俺からもひとついいか?」

カミーユ「君は?」

??「彼はヒュッケバインMk−Uのパイロット、折原浩平だ。

 お前と同じくいきなり機体を操縦しきったやつだよ」

 ガンダムとヒュッケバインを調査していた整備士――アストナージが横から口を挟んできた。

カミーユ「君があの機体のパイロット?」

浩平「ああ、そうだよ。

 なあ、何で俺を呼んだんだ?」

カミーユ「呼んだ? 俺が?」

浩平「ああ」

カミーユ「…すまないが、覚えがない」

浩平(…気のせいだったのか? いや、こいつから強烈な念を感じる…間違いない。

 ………力の使い方に気がついてないだけか)

クワトロ「……それでアストナージ、機体の調査の結果は?」

 会話が終わったのを見切り、クワトロはある疑問を口にする。

アストナージ「ええ、両機とも危険な点はありません」

クワトロ「そうか」

浩平「ヒュッケバインも調査したんですか?」

クワトロ「ああ、念のためにな。悪いとは思ったが」

浩平「いや、お世話になってるみだから文句は言わん。

 それに俺も調査しようと思っていたからな」

アストナージ「クワトロ大尉、ヒュッケバインはやはりEOTを使って開発された機体です」

クワトロ「やはりそうか…」

カミーユ「EOTってなんですか?」

アストナージ「エクストラ・オーバー・テクノロジーと呼ばれる技術の略さ。

 クワトロ大尉、それと、ヒュッケバインの中から脳波システムに似たものを見つけました」

クワトロ「脳波システム…サイコミュか?」

アストナージ「コンセプトは似てますが、まったくの別物です。

 浩平、こいつに乗ったとき操縦方法が頭に書き込まれたって言ってたな」

浩平「ええ」

アストナージ「機体の取扱書とかが無いから確証は無いが、お前の脳波パターンが予め搭載されていた。

 偶然とは考えられないし、ヒュッケバインのパイロットはお前さんに決まってたんじゃないのか?」

浩平「そうかも…知れません。

 あまりに偶然がよすぎる…そう思いたくは無かったが」

浩平(だとしたら、このシナリオを作ったのはマオ社なのか…?)

クワトロ(その鍵を握るのはDC日本支部か)

 とあるブリッジ

 艦長席と思われる席に、黒のバイザー、黒のマントを着た男が座っている。

??「………」

??「アキト、モウスグ目標ノコロニーガ見エル」

 黒尽くめの男――アキトに艦長席から見て右側の、オペレータ席に座っている少女が報告する。

アキト「解った。ラピス、ルリ、周囲の状況は?」

ラピス「ナニモナイ」

ルリ「こちらもです」

アキト「…アカツキからの情報ではここのはずだが…どこかで変更となったのか?」

 アキトは情報源の男を疑うことはしない、そのことがルリとラピスには面白くない。

ラピス「アキト、アカツキノ言ウコトハ嘘ガ多イ」

ルリ「アキトさんはアカツキさんを信用しすぎです」

 二人の不満にアキトは微笑を浮かべ、

アキト「アイツは…俺に嘘はつかないさ。

 俺が協力してる限り、ネルガルは利益を上げていく。

 それにアイツにとって俺は親友だからな、俺もそうだから信じることができる」

ルリ・ラピス「………」

プシュ

ドアが開き、金髪の少女がブリッジに入ってくる。

イネス「お兄ちゃん、エステバリスはいつでも発進できるわよ」

アキト「…戦闘状態を維持、周囲調査の範囲を広げろ。

 俺は格納庫に行く、発見しだい報告してくれ」

イネス・ルリ・ラピス「了解」

 アキトは駆け足で格納庫に向かう。

 その途中で、

アキト「くく…待ってろよ、シロッコ。

 モノの執念を…火星の民の怨念をお前の体に刻み込んでやる…」

 虚空に浮かべる笑みはルリとラピスに向けた笑みとは違い、狂気に満ちていた。

ルリ「何でアキトさんはアカツキさんをああも信用するんですか…?」

 

 ルリの言葉にラピスは肯く。

イネス「説明したいところだけど、私もそれは解からないのよ…。

 親友だからとしか言えない、屈辱だわ、説明できない事があるなんて」

ラピス「アキトハ私タチヲ信用シテイナイトイウコトナノ?」

ルリ「そう思いたくはないですが…。

 私たちに”アマテラス”、”ツクヨミ”を任せておきながら、三人目のAIの事は教えてくれませんし……」

ラピス「ウン」

イネス「お兄ちゃんから聞いていない……のね。

確かにアマテラス、ツクヨミとくれば末子であるスサノオが無い事は不自然。

…スサノオはお兄ちゃんのコードネームになる事になっているのよ」

ラピス「ナンデ?」

イネス「スサノオという神は一言で言うと破壊神なの、アマテラス、ツクヨミと違って。

多分お兄ちゃんはスサノオという神の符号を自分になぞっているのよ。

……破壊神って意味をね」

ルリ「そんな、嫌、そんなの認めません!!

どうして止めなかったんですか!? あなたはアキトさんの……」

イネス「言われなくても止めたわよ!! …でも駄目だった。

 あの人の気持ちが分かるから、止められなかったの………!」

ルリ・ラピス「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アーガマ

クワトロ「おかしい、追跡隊が来ない」

アストナージ「そうですね、新型機を奪われたにしては行動らしい行動がありませんね」

カミーユ「それってどういうことですか?」

クワトロ「我々を追うことができない理由があるということだろ…」

浩平「新型機を失ってでも、行わなければいけない作戦でもあるんだろうな」

浩平(その作戦のため、ヒュッケバインを狙ったのかもしれないけど)

ビィー ビィー ビィー

 異常事態を告げるアラームが鳴り響く。

クワトロ「艦長いったい何があった!?」

『わが艦はこれより正体不明のMSに襲撃されているホワイトベースを救出する。

 パイロットは機体にて待機』

 キュイイイン

 クワトロ・カミーユ・浩平は言いようの無い不安に駆られた。

浩平「すいませんが、俺は出撃しないでいいですか…?」

カミーユ(このプレッシャー故にか?)

クワトロ(彼が残るなら心配要らないな)

クワトロ「いいだろう」

ホワイトベース

ドォン!

 ホワイトベースは敵MSの攻撃により、中破していた。

ブライト「く、主砲、ならびにミサイル同時発射!」

 バシュ!

 ブライトの指示の下、反撃するが、機動性が違いすぎるので一方的に弄られる。

ビー ビー

ブライト「今度は何だ!」

通信士「アーガマという艦が救援すると…」

ブライト「アーガマ?」

通信士「モニターに出します」

 ピ!

ブライト「…どことなく、わが艦に似ているな」

ピ!

 ブライトがそう感想を漏らすと、モニターにある男の顔が表示される。

クワトロ「こちらエゥーゴ所属艦アーガマ。

 これより貴艦を援護する」

ブライト(シャア!?)

ブライト「…協力感謝する」

 内心の動揺を見抜かれぬよう、ブライトは対応した。

 正体不明のMSはティータンズのもの比べてレベルがひとつ上だった。

 だがクワトロとカミーユの連携は凄まじく、次々と正体不明のMSを撃ち落していった。

カミーユ(…さっきのは勘違いか?)

 MSを撃墜していく中、カミーユは出撃前に感じたプレッシャーが勘違いかと思案し始めた。

??「くくく。ホワイトベースを襲撃したら、こんな上等な獲物が引っかかるとは」

 敵部隊の隊長は、隠していた力をさらけ出した。

ピイイイイイン!

カミーユ「くっ! なんだこのプレッシャーは!?」

 カミーユはその力を敏感に感じた。

クワトロ「…ちぃ!」

 クワトロもそれを感じた。

??「む? なんだ、この不愉快なプレッシャーは……

 まあいい、第二部隊、出ろ!」

 敵隊長の命により、アーガマ周辺にMSが現れた。

浩平「ヒュッケバイン、出ます!」

 必勝の伏兵のつもりだったのだろうが、待機していたヒュッケバインにより、その思惑は壊された。

??「なかなかやるな」

 もはや戦略など無い、ただの力のみで勝利者が決まる戦場になり始めた。

 そんな中、白き戦艦が突如乱入してくる。

ブライト「またか!?」

??「なんだ?」

 両指揮官の問いに答えたのは

 シュォォォォォ!!

 戦艦から放たれた黒い光だった。

 ホワイトベースやエゥーゴには被害は無かったが、正体不明のMSは被害が多かった。

 シュ!

 続いて、戦艦から黒の人型兵器が出てくる。

??「パプテマス=シロッコォォォォォ!!!

 全機体に強制的に通信が入り、猛スピードでシロッコの操る機体――メッサラーに黒の機体が肉迫する。

シロッコ「私の名を知っているとは、貴様何者だ?」

 繰り出された拳、蹴りを間合いを多くとって避ける。

 それを見ていたものは、皆同じ感想を持った。

 機動兵器の動きは機械的でなく、人間の動きそのものなのだ。

??「主、かの者は火星より刈りだした実験体の生き残りだ」

 シロッコを守るようにしていたMSのパイロットから答えが返ってくる。

シロッコ「…そうか、あのしぶとい実験体か…。

 感謝するぞ、お前のおかげで有益な技術が生まれたからな」

??「それもここまでだ、俺はお前達を殺す!」

??「くくく、実験体ゴトキが強く出たな」

??「そう笑っていられるのも今のうちだぞ、北辰!」

 黒の機体は持っていたライフルを乱射する。

 その射撃をシロッコはブーストを吹かせて、北辰は細やかな動きで避けようとしたが、北辰のほうは何発か被弾した。

北辰「…なるほど、口だけではないようだ」

??「おぉぉぉぉぉ!!」

 追い討ちをかけるように黒の機体は、北辰機に突っ込む。

北辰「…その気迫、その力、復讐人として生きるか、だが、まだ未熟なり!」

 黒の機体はシロッコと北辰しか見ていないので、死角に回り込んでいるMSに気がつかなかった。

 バキィ!

 MSの体当たりを諸に喰らい、バランサーが狂う、

北辰「何も達成できずに、死んで逝け!」

 北辰機とメッサラーのビームが黒の機体に向かって放たれた。

北辰「去らば、遅かりし復讐人よ」

 だが、黒の機体を貫くビームは黒の機体の前でかき消された。

北辰「何!?」

 その現象は、シロッコの知識の中にあるもの。彼らの主のものだった。

シロッコ「…奴は、それなりの力を得たということか。

 北辰、残念だが時間切れだ」

北辰「御意。覚えとけ、遅かりし復讐人よ、その程度では我らは倒せん」

 その台詞を残して、シロッコたちは去っていった。

 後に残されたのは、何がなんだかわからないブライトたちだけだった。

 黒の機体も何も言わず、戦艦に戻ると何処かに行ってしまった

 

 

 ドカアアアアア!!

エステバリスから降りたとたん、アキトは近くに合った資材を殴り付けた。

アキト「うがあああああああああああ!!」

ドカ! ドン! ドン! ギイイイイン!!

イネス「お兄ちゃん、やめて! きゃっ!!」

イネスは止めようとしたが、一蹴されてしまう。

ラピス「アキト…アキト………」

過去の実験によりアキトと精神がリンクされているラピスはアキトの荒れ狂う意識を真っ向から受け止めたため、意識を失ってしまった。

ルリ「ラピス大丈夫ですか!?」

イネス「アマテラス、ツクヨミ! お兄ちゃんに麻酔針を撃って!」

シュ! シュ!

すぐさま格納庫のいたるところから銃身に似た物が出てきてアキトに向かって発砲する。

アキト「うがあああああ………」

バタン

体の自由が聞かなくなりアキトは地面に倒れた。

イネス「ごめんねお兄ちゃん……今はこれぐらいしかできないの……」

倒れたアキトを抱きしめる。

ルリ「アキトさん……ゴメンナサイ、何もできなくて……何がマシンチャイルドですか…好きな人を助けもできないのに……」

二人ともアキトを抱きしめながら泣きはじめる。

アキト(…謝るのは俺の方だよ、なんだかんだ言って俺は皆を傷つけている)

 体の自由がきかないだけで、体内に埋め込まれたナノマシンは正常に働いている、アキトはエステバリスにアクセスして二人の姿をカメラ越しに見ていた。

ラピスが目を覚ますまで二人は泣きつづけた。



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