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俺は耕介さんに連れられて中町食堂というところを訪れた。そこで耕介さんとふたり頼み込んで俺も住み込みで働かせてもらえる事になったのだった。

 

 

 

INFINITE JUDGE〜第2話〜

 

 

 

 

「そういえば、耕介さんは遺伝子照会とかされなかったんですか?」

俺は皿洗いをしながら料理をつくっている耕介さんに話しかける。この時代、バーコードを調べるような感覚で遺伝子チェックができ、その為身元不審な俺はどこにも雇ってもらえなかったのだが。俺の時は耕介さんの知り合いという事で信用してもらえたようだが耕介さんの時はどうだったのだろうか?

「ああ、ここの親父さんと奥さんは気のいい人達だからな。」

確かに、ここの親父さんはいい人そうだ。

「そうですね。それにしても、この店って繁盛してますよね。これも親父さんの人柄でしょうか?」

俺はふと思いついて話題を変える。昼時とはいえ、店は凄い混雑具合だった。俺自身、先ほどからあれやこれと仕事にひっぱりまわされてる。後、こう言った食堂のわりに女性客が多い気がする。

「お前らのせいだよ。」

そこで、店の親父さんが口を開いた。

「腕の立つ料理人と二枚目の店員が入ったという事で店が話題になっちまってるのさ。」

なるほど。俺は納得する。しかし、腕の立つ料理人は耕介さんとして、二枚目の店員というのはだれだろう?この店には俺と耕介さん、店の親父さんに、親父さんの奥さんの好恵さんしか居ない筈だが?

そして、食堂で働き初めて一月が過ぎた頃、2時ごろのお客さんがいない時間帯に痩せた男と非常に大柄ら男の二人連れが店に入ってきた。そして、それを見て俺はわずかに警戒を強める。二人とも素人ではなく、なんらかの戦闘訓練を受けたもの、特に痩せた男の方は相当な実力者であることがわかったからである。

「いらっしゃいませ。」

俺は顔にはださず挨拶し、注文を承る。そして、男達は料理を食べ終えると俺に対してこう質問してきた。

「いやー、大変おいしい料理でした。この料理を作られたのはどなたで?」

「あ、俺ですけど。」

耕介さんが答え、厨房から出てくる

「なるほど、噂どおりの腕前で、実は私こういうものです。」

そう言って、耕介さんと俺にも名刺を渡してくる。そこにはネルガル特別人事部長プロスペスターと書かれていた。

「ネルガルってあの大企業のですか?それにしてもこのプロスペクターって・・・。」

耕介さんが突っ込みを入れる。確かにふざけた名前だ。この男の実力からして、あるいは何らかの裏社会に関わるものなのかもしれない。

「いやあー、ペンネームみたいなものだと思ってください。それよりも私はあなた方をスカウトにきました。」

「「スカウト?」」

俺と耕介さんの声がハモる。

「はい、凄腕と噂の料理人と、美形と噂の店員、いやー、美人の女性スタッフばかり集めてしまって、女性陣をやる気にさせる人材を集めるのを忘れて・・・、あ、いや、これはこっちの話で。」

なんだかよくわからないがどうやら俺と耕介さんをスカウトに来たらしい。しかし、美形店員というのは俺のことのようだが、何故俺が美形なんだ?もしかして、未来の美的センスではそうなのだろうか?俺は首をかしげる。

「それで、スカウトと言いましたけど、一体どんな職場なんですが?」

耕介さんが質問する。それは俺も気になっていたところだ。

「あ、はい。ナデシコという新しい戦艦でして・・・。」

「戦艦?」

この世界で今、戦争が起きているらしい事は知っていた。外宇宙からきたエイリアンとの戦争だと聞いている。しかし、ネルガルは確か民間企業だったはずだ。何故、戦艦の乗員などスカウトしているのだろう?

「はい、ネルガルが私的に使用する戦艦です。給料はこんなもんで。」

そういって、プロスペクターさんは電卓で金額を表示する。その金額は相当なものだった。

「すこし、考えさせて貰えますか?」

耕介さんがそう言う。俺も同じように答えておいた。

「わかりました。それでは、また、後日お伺いします。」

 

 

 

 

その夜、俺と耕介さんは店の2階の親父さんに借りている部屋で二人、話し合いを行った。

「どうする恭也君?正直なところ悪い話じゃないと思う。それに、ネルガルのような大企業に入れば、上手くすれば情報も得やすくなるかもしれない。まあ、戦艦っていうのがきになるし、あの人もちょっと胡散臭い感じもするけどな。」

耕介さんがそう提案する。それは俺も考えていた事だった。この世界に来て以来、なんとか元の世界に帰る方法はないかと色々と調べているが一向に手がかりすらつかめないでいる。

「そうですね。俺もそう思います。けど、ここの親父さん達にいままでさんざんお世話になっておいて、はい、さよならって言うのは・・・・・・。」

「うん、それは俺もそう思っているんだ。」

ここでネルガルに行くのは少々恩知らずな気がする。その時部屋に親父さんが近づいてくる気配を感じた。そして、ノックが聞こえる。

「はい、どうぞ。」

俺が、答えると親父さんが入ってきた。

「どうかしましたか?」

耕介さんが問いかける。すると、親父さんは話し始めた。

「なあ、おめえら、今日、来てたお前らに対するスカウトのことなんだけどよ。」

「・・・・・・はい。」

俺と耕介さんは少し身構えて聞く。

「お前らその話に乗りたいんだろ?俺たちのことなら気にするな。お前らは若い。こんなぼろ食堂にいるにはもったいなさ過ぎるやつらだ。俺達への義理立て何か気にするな。」

「「!!?」」

驚いた。まさか、見抜かれていたとは思っても見なかった。

「まあ、俺達に恩義を感じてるっていうんだったら、その内一回位、顔を見せてくれりゃいい。できれば嫁さんか、子供の一人でもつれてな。」

・・・・・そこまで気づかれていた事に衝撃を受ける。俺も、そして、耕介さんすらもまだまだ未熟な若輩者であることに気づかされた。

「はい、わかりました。」

「ありがとうございます。」

そして、俺達二人は礼をいった。

 

 

 

「がんばれよ。」

「がんばってね。」

そして数日後、プロスペクターさんと連絡をとり、耕介さんはコック、俺は最初ウェイターということだったが、それだけではということで食堂雑務全般を務める調理補助ということで契約をすませた俺達は(ちなみに遺伝子照会の件は戦争のごたごたでデータが紛失されたのだろうという事でごまかした。)店のおやじさんと奥さんの好恵さんに見送られナデシコへと向かったのだった。

 

 

 

 

(後書き)

始めまして。初投稿の柿の種です。1話で後書きを書くのを忘れたので色々と。まずタイトルは直訳で「無数の裁き」、意訳で「無数の判断」みたいな感じになります。価値観や正義は一つじゃないというナデシコ根底のテーマを扱ったものになる予定です。主人公は一応恭也ですが、私は耕介の方が好きなので(でも恭也の方が動かしやすかったんです)彼も目立たせていきたいと思います。他のとらハキャラもそのうち何人か出てくると思います。可能性が高いのは知佳、リスティ、フィリス、薫、ノエル、忍など戦闘力所有組みですね。それでは、この辺で。できれば感想お願いします。

 

 



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